天王寺区の区長、水谷翔太さんに聞く「大坂の陣400年」

天王寺区役所
天王寺区役所
奥から水谷区長、山元さん、奥さん
奥から水谷区長、山元さん、奥さん
水谷区長と市民協働課の森さん
水谷区長と市民協働課の森さん

大阪市天王寺区長 水谷翔太さん

 「天王寺区をアピールできる、100年に1度のチャンス!」

 

玉造の町おこしメンバー

「玉造でもイベントを盛大にやってください!」

 

20152016年は「大坂の陣」からちょうど400に当たる年。「大坂の陣」の合戦舞台となった天王寺区では「大坂の陣400年」記念イベント「戦国博(仮称)」を開催する。それに併せて、玉造では町おこしの機運が芽生えている819日、町おこしをめざす、玉造の店主ふたりが天王寺区役所を訪ね、天王寺区長の水谷翔太(しょうた)さんと市民協働課の森茂樹さんに会って、意見を求めた。同行してその様子を取材した。

2013819日)

 

 

「お暑い中、よく来てくださいました」と出迎えてくださった水谷区長。今年28歳、区長というお固い肩書きからは想像できないほど若くてフレッシュ。

 そばには市民協働課の森課長代理。シティ・プロモーション担当で「大坂の陣400年」イベントの窓口を担当されている。

 

 玉造からやって来たのは雑穀屋「やま元(げん)」の店主・山元(やまもと)茂弘さんと、大豆パン専門店「ダイズインターナショナル」の奥雄一さん。おふたりは共に、JR玉造駅と日の出通り商店街をつなぐ横丁で店を出している。来年再来年を見据え、商売している者たちで玉造の町を活性化できないかと模索しているところだ。

 

まず、水谷区長に、天王寺区が進めるイベントの進行状況について伺った 

 

 

 全国から観光客を集められる町に

「戦国博」はその出発点

 

―水谷区長にお尋ねします。天王寺区が行う「大坂の陣400年」の計画はどこまで進んでいますか。

 

 天王寺区では「大坂の陣400年」を行うにあたって、一般の皆さんからアイデアやイベント案を募集しました。それをこれからまとめていくところです。9月中には素案を作り、天王寺区が中心となって行うメーンイベントを提案したいと思っています。トータルプロデュースはJTB西日本さんにお願いしています。

 

今回の「大坂の陣400年」は区全体の底上げにつながるような企画にしたいと考えています。一過性のイベントで終わらせるのではなく、これを起点に、天王寺区には真田幸村ゆかりの史跡があることを広く知らしめ、再来年以降も多くの観光客を誘致できる形をめざしています。

 

 イベントについても、大きなイベントをどんと1つ打ち上げるようなやり方ではなく、「大坂冬の陣・夏の陣」、それぞれにふさわしい、中小規模のイベントを複数にわけて打っていき、ピークに大きなイベントを持ってくる方法を考えています。

 

 

三光神社と商店街を中心に 

玉造の魅力を広げて見せる

 

 

―玉造は、真田幸村が出城「真田丸」を築いた、「大坂冬の陣」の主戦場。400年イベントでは、玉造ではどこで、どんなイベントが行われるのでしょうか。

 

 具体的に詰めていくのはこれからですが、玉造でイベントをする場合、ネックとなるのが場所の問題。広い場所となると真田山公園になりますが、駅からちょっと遠いですし…。

玉造駅から近く、人が集まりやすい場所、そうなると日の出通商店街と“真田の抜け穴”がある三光神社に落ち着きそうです。ここをキープレーヤにして、何かイベントを考えていければと思っています。

 

ただ、三光神社や商店街といった“点”で捉えてしまうと、玉造の魅力は引き出せないので、それを “面”にして広げていく工夫がいります。

玉造は住宅街のイメージが強いのですが、史跡もありますし、特長のある新しい店も現れています。400年イベントとからめて、玉造の多面的な魅力をPRしていけたらいいと思っています。

 

―玉造で店を開く者として、地元でイベントをたくさんしていただきたい。

 

 今ははっきりとしたことはお話できませんが…。予算を見ながら、これから固めていきます。

 

 

上田市や藤井寺市ともコラボ 

漫画など、斬新な切り口も検討中

 

―「大坂の陣400年」に区長ご自身、何かアイデアはおありですか。

  

 たとえば真田氏が本拠を構えていた信州・上田市や、「大坂夏の陣」道明寺合戦の舞台になった藤井寺市では、幸村にちなんだイベントを熱心に行われています。幸村つながりで、われわれのイベントへの応援をお願いするために、この秋には上田市に行くつもりでいます。

 また、真田幸村が登場するアニメやゲームも出回っていますよね。つい最近も、幸村を主人公にしたコミックの連載が始まっています。

実はお隣、浪速区の新世界はキン肉マンを町のキャラクターにしてアニメファンを集めています。「大坂の陣400年」でも漫画をなんらかの形で取り込めば、浪速区とコラボして、2つの区をめぐりながら楽しんでもらう「漫画ツアー」なんかができそうです。

 

―発想がやはり若々しいですね。

 

いえいえ(笑)。400年イベント、コレを逃すと、次は100年後ですから。このチャンス、最大限に活かしていきます。

 

 

「横丁全体で何か一緒にできれば」(玉造メンバー)

「町おこし、早くにやったもん勝ちですよ」(水谷区長) 

区長 山元さん奥さんは玉造でお店をなさっていますよね。

 「やま元」さんは、国産の雑穀を量り売りで売られていますし、うちは大豆パンの専門店です。お互い、玉造駅と日の出通商店街を結ぶ横丁にあります。

 この横丁は、昔はもっと細い道で、商店街への抜け道的な存在だったらしいんです。最近は新しい店も増えて、玉造では夜遅くまでにぎわっているエリアでもあるんです。

区長 あの辺りは個性的なお店が集まっていますね。大豆パンのお店なんて、そうそうありませんし、「やま元」さんの玉造ぽん酢はご自分のところのオリジナル商品だとお聞きしています。

山元 よくご存知で!

区長 玉造本町に住んでいるので

山元 えっ! それは心強い!

 「大坂の陣400年」にちなんで、うちではパンに六文銭の焼印を入れたり、パンで兜を造ったりしようかと考えています。

山元 うちでも今、新しい商品を考えているところです。

実は、1店2店で何かやるよりも、たくさんの店でわぁとやったほうが、お客さんにも楽しんでもらえます。それで、ほかのお店も誘って、何かできないだろうかと相談しているところなんです。

 わたし的には、われわれ独自のイベントができたらいいなぁって思ってるんです。プロレスラーに甲冑をつけてもらい握手会をするとか、アニメの声優さんに来てもらうとか。お客さんに喜んでもらえそうなものを、なにか…。

区長 どんどん進めてください。天王寺区では「六文銭ファンド」と名づけて寄付を募っています。これの民間版、地元のお店に寄付を呼びかけ、集まったお金を活用する手もありますよ。応援していますから。

 

 

天王寺区のマスコットキャラクター 左から「天の王子」「ももてんかちゃん」「かぶ太子」
天王寺区のマスコットキャラクター 左から「天の王子」「ももてんかちゃん」「かぶ太子」

 「なんか元気をもらいました」

(玉造メンバー)

 

 水谷区長の激励を受け、山元さん奥さんのおふたりはヤル気モードにスイッチが入った様子。これから大きく動きそうです。

 

 

 

 

24区で一番若い区長 

フットワークとフレッシュな発想に期待

 

 水谷区長はこの8月でちょうど就任1年。

大学卒業後、NHKに記者として入局。山口県に赴任3年目のときに、大阪市が24区の区長を公募していることを知ります。自分の目で確かめ、一番気に入った天王寺区長に応募し、見事に合格。大阪市の中で最も若い区長として注目を集めています。

「大坂の陣400年」戦国博のために、区長がたくさんの方々に直接会って話を聞いたと思われる様子が、話の節々から伺えました。自分の目と耳で確かめようとするフットワークの軽さはおそらく記者時代に養ったものであり、水谷区長の大きな強みになっています。「戦国博」ではオリジナル性の高いイベントを考えられているようで、9月末の素案が楽しみです。

 

 

玉造が主役になれる絶好のチャンス 

町全体でまとまっていこう!

 

「大坂の陣400年」のハイライトのひとつは、来年秋の「大坂冬の陣」です。玉造でイベントが行われるのはこのときになるでしょう。

具体的に玉造でどういうイベントが行われるのか、そして住人がどう関わっていけるのか。また、玉造が真田幸村ゆかりの町だとPRしていくのに、駅周辺のイベントだけでわかってもらえるのかどうか…。

なによりも、最大の課題は、400年イベントを活かして、玉造全体をどう活性化させていくかです。ワクワク感とともに、越えていかねばならないハードルがいくつもあります。天王寺区の動きを注視しながら、町の心をまとめていく方法を探っていきます。

 

 2013年8月19日取材)

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 天王寺区の戦国博に向けた取り組み

玉造の最寄駅

JR環状線「玉造駅」

大阪市天王寺区玉造元町1-40

地下鉄長堀鶴見緑地線「玉造駅」

大阪市天王寺区玉造本町1-2

「真田丸」はここだ! 玉造地図

大阪歴史博物館が推定した真田丸跡をめぐりながらお店めぐりも。

愛用のカメラとICレコーダーです
愛用のカメラとICレコーダーです

玉造イチバンの管理人です。私は玉造で生まれ育ち、今も玉造に住んでいます。たくさんの方に玉造を知ってもらいたく、2013年2月にこのサイトを立ち上げました。玉造を盛り上げる情報を発信していきたいと思っています。