阪神梅田本店「大坂ヒーロー幸村と真田十勇士展」レポート

平成のゲームで活躍する真田幸村
平成のゲームで活躍する真田幸村


 

 阪神梅田本店で1014日まで開催される「大坂ヒーロー幸村と真田十勇士展」には、途切れることなく現在まで続く、庶民の「幸村LOVE」が詰まっている。

江戸時代、幸村は小説・講談・人形浄瑠璃の主人公として八面六臂の活躍を見せる。近代に入ると、ベッタンやカードなど子どもの遊び道具にもなり、映画やラジオ・テレビ番組に、さらに平成に入ってからはゲームやアニメ、演劇になるなど、その人気はとどまるところを知らない。

 幸村の人気を支えるのは、昔も今も変わらない大阪人の反骨精神であり、弱い者や負けた側を応援する判官びいきの心情だ。本展のサブタイトルが「負けてたまるか!大坂魂」。“徳川がナンボのもんや、大坂方には真田幸村公がおったんや”“ホンマ言うたら、豊臣方が勝ってたんや”。アンチ徳川・江戸・東京、8階催し会場には大阪の熱い心が渦巻いている。となれば、阪神ファンの皆さん、これは絶対行くべきです!

会場をぐるっと一周すれば、戦国時代から江戸時代、そして明治大正昭和平成へと、その時代時代で幸村が庶民に愛されてきたことが分かる仕組みになっている。

 阪神梅田本店販売促進部店内催事計画担当の松本恵美さんは「幸村はそのときどきの最新のメディアに取り上げられ、時代を越えて愛されてきたヒーローです。今回は『大坂の陣』という史実に、十勇士というフィクションをまじえて、ヒーロー真田幸村に迫りました。時代を切り取り、大坂魂に寄り添った内容です。男性にも女性にも、若い方にも年配の方にも、幅広い皆様に楽しんでいただけます」と力を込める。

当時の武器あり、幸村の手紙あり、映画の上映や講談・講演も

会場の展示を紹介しよう。まず、幸村が生きていた時代。真田鉄砲隊の火縄銃や、家康本陣に攻め込んだときに幸村が持っていたとされる小型銃「馬上宿許筒」の実物を展示。また、幸村は火器・火薬の研究もしており、鉄砲・地雷火・ロケット矢・炮烙弾などを開発。真田流火術の書や大きな火薬弾「二百貫目炮烙弾」も並べられている。いずれも、テレビ「なんでも鑑定団」の鑑定士であり、私設ミュージアム「真田幸村公資料館」館長でもある澤田平さんのコレクションだ。


 

幸村はどんな字を書いていたのか、その真筆の書状も並んでいる。幸村が高野山蓮華定院宛てに書いた手紙は和歌山県指定文化財に。末尾の差出人のところは「左衛門 信繁」となっている。


 

天下泰平の江戸時代になると、お上へのうっぷんを晴らすかのように「大坂の陣」を持ち上げる気運が高まっていき、幸村は神格化されていく。軍記物や講談では、幸村は豊臣方の武将たちを率いて、徳川方を翻弄する。そのたびに家康と秀忠は命からがら逃げまわる。また、登場人物の名前と時代設定を変えて人形浄瑠璃にもなるなど、幸村の物語はどんどんふくらんでいくのである。会場には江戸時代の講談本や小説が並べられ、幸村ゆかりの文楽の出し物がDVDで流れている。

大坂の陣いた小説「厭蝕(えんしょく)太平楽記」
大坂の陣いた小説「厭蝕(えんしょく)太平楽記」
太平楽記を開けると、こんな感じ
太平楽記を開けると、こんな感じ
大坂冬の陣を題材にした「近江源氏先陣館」
大坂冬の陣を題材にした「近江源氏先陣館」

 

近代に入ると大阪の出版社が立川(たつかわ)文庫を発刊。真田十勇士が幸村を助けて大活躍する物語が一世を風靡する。立川文庫の名前はよく聞くものの、実物は見たのは初めて。思っていたより、表紙はあっさり。しかし、これをきっかけに十勇士を主人公にした映画や漫画が次々と出てくるのである。

ラストはゲーム「戦国BASARA」と、真田十勇士が活躍する漫画「BRAVE10」のコーナー。若い人たちが熱心に写真を撮っていた。

十勇士がベッタン(メンコ)に
十勇士がベッタン(メンコ)に
戦国BASARAの武将たちは女性に大人気
戦国BASARAの武将たちは女性に大人気
十勇士を主人公にした漫画「BRAVE10]
十勇士を主人公にした漫画「BRAVE10]

 

本展には東映が協力。会場の隣に「阪神名画座」の看板をあげたミニミニシアターを設け、会期中、時間を決めて、40年以上前の劇場用アニメ「少年猿飛佐助」と、1979年公開の東映オールキャスト「真田幸村の謀略」を上映している。

「少年猿飛佐助」には作り手のやさしさが感じられ、終わったときには胸がジーン。「真田幸村の謀略」は監督が中島貞夫、主役の幸村は松方弘樹、その父・昌幸を片岡千恵蔵、徳川家康は萬屋錦之助と、濃い濃い配役。脇役陣もすごい顔ぶれ。これぞ東映映画! その懐かしさが受けてか、平日にもかかわらず8日午後3時半からの上映は30席がほぼ満席。DVDでの上映なので、家でも見られるけれど、ひとりで見るより、大勢で見る方が絶対楽しい。本展の入場券があれば、東映映画も見られる!


 

さらに、会場では日替わりで「幸村特別興行」を実施中だ。初日、もっとも心に響いたのが墨絵師・御歌頭(おかず)さんのライブペイント。壁一面ぐらいの大きい紙に大筆で、馬に乗った幸村を描いていく。15センチぐらいの大筆1本と中筆1本、見事な20分にギャラリーは大拍手。御歌頭さんが描いた墨絵は8階催し会場入り口に飾られている。こちらはチケットがなくても見ることができる。

御歌頭さんの作品をもっと見たいと思われたら、会場へぜひ。入ってすぐのところで迎えてくれる幸村と十勇士は御歌頭さんの作品だ。

11日以降には、無声映画「豪傑児雷也」の上映や、講談「難波戦記」、東西の講談師が対決する「講談ゴリンジャー東西講談師バトル」、また、澤田平さんが真田流忍術の数々を披露する講演や、高野山「蓮華定院」ご住職のお話など、趣向凝らした企画がいろいろ。半日たっぷり楽しめる。(各日のイベントは予告記事を参照ください)

8日の初日には墨絵師・御歌頭さんのライブペイントが
8日の初日には墨絵師・御歌頭さんのライブペイントが
九度山真田庵の庵主さまトークショー
九度山真田庵の庵主さまトークショー
安居神社中島宮司「幸村公を語る」。左は司会の旭堂南陽さん
安居神社中島宮司「幸村公を語る」。左は司会の旭堂南陽さん

【会期】108日(水)~14日(火)10:0020:00(最終日は1700まで)。入場は閉場の30分前までに

【入場料】一般500円、学生300円、中学生以下無料。(税込)

但し、阪神・阪急のカードを提示すれば、本人に限り無料。

(ウラ技)阪神地下1階、中央エレベーターホール前では、無料で即時に阪神ポイントカードが作れる。今なら200ポイントサービス期間中だ。まず地下1階でカードを作って8階へ行けば、無料で入場できる。

墨絵師・御歌頭さん  

墨と筆で墨絵ライブ、一発勝負の20分

 御歌頭さん、おもしろいお名前ですが、本名から考えられたとか。1985年生まれ、大阪にお住まいです。その御歌頭さんにお話を伺いました


 

 もともと水彩や油絵をしていたのが、6年前から墨で描くようになりました。子どものときから甲冑や鎧が好きで、真似して描いていました。特に、武将・福島正則の水牛兜がかっこよくて、あこがれていたので、まず墨絵で大好きな正則の兜を描きました。それからですね、武将を描くようになったのは。

 戦国系では今のところ、真田幸村を描くことが一番多く、その次が黒田官兵衛です。

 描くに当たっては、事前準備はいっさいしません。一発勝負です。構図もポーズもインスピレーション、描きながらその場で考えています。上塗りできないので、失敗したらこわいですけれど、その緊張感が好きですね。今日の絵では、人物と馬とをどう調和させるかがポイント。六文銭と鹿の角の兜、それに十文字槍、 これで幸村を現しています。

 墨絵で難しいのは、色によって判別するものをどう表現するか。たとえば服の裾が緑色、その上側が赤色といった場合、色の違いをモノクロでどこまで表現できるかです。毎日練習しながら研究しています。

 はじめた頃と比べると、人物に動きが出てきました。かすれとかポージングがうまくなり、自分自身、進化が感じられます。武将をもっと知って、人物の中身までを現せる絵を描いていきたいと思っています。

20141010

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玉造の最寄駅

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「真田丸」はここだ! 玉造地図

大阪歴史博物館が推定した真田丸跡をめぐりながらお店めぐりも。

愛用のカメラとICレコーダーです
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玉造イチバンの管理人です。私は玉造で生まれ育ち、今も玉造に住んでいます。たくさんの方に玉造を知ってもらいたく、2013年2月にこのサイトを立ち上げました。玉造を盛り上げる情報を発信していきたいと思っています。