この夏、玉造に新しい医院が開院

「宋こどものこころ醫院」

東洋医学を治療に取り入れ、

快復する打率を上げていきたい

 

玉造に86日「宋こどものこころ醫院」が開院した。こどものこころを診療する、個人医院の心療内科は、大阪市内でもここを入れても3箇所ほどしかない。また、鍼灸や漢方薬を取り入れて治療する心療内科は、もしかしたらここが日本初かも。「快復する患者さんの数を年々上げていきたいと熱く語る院長の宋大光(そう だいこう)先生。きぱっと言い切るパワーと自信。はたして、どんな裏づけがあるのだろうか。今回の取材で宋先生の自信の源を探ることができた。

院長の宋大光先生
院長の宋大光先生

  「はじめまして」と挨拶するなり、驚いた。学生さんかと見間違うほどの若々しい容貌。

 「よく言われるんです。でも医者になって11年。いま35歳です」と宋先生。

 小児科医として7年勤務したあと、精神科医として4年勤務し、今回開院に踏み切った。 

  

 「宋こどものこころ醫院」は3つの面で興味を引かれる。

 まず、こども専門の心療内科であること。第二に、外観から察せられるが、建物の設計へのこだわり。そして、東洋医学による治療といったような、ほかにない特長を備えている。

 

 「自分の気持ちがどこにあるかを示すためにも、クリニック名に “こども” という言葉を入れたかったんです」

  宋先生は、医学生のときから“こどものこころ”に関わる仕事をしたいと思っていたそうだ。

 「こどもさんは将来が長いだけに、よくなった結果が人生に与える影響が大きいですよね。それだけに貢献度が高い仕事だと思えて」

 

 “身体”よりも“こころ”なんですね。

 「小児科は、風邪の症状ならこういう治療をすると、ある程度の公式が使えます。

 それに対して児童精神科は、同じ不登校であっても、原因は一人ずつ異なりますし、それに立ち向かう本人の性格・家庭環境・生活スタイルなどもそれぞれ違うため、オーダーメードの治療にならざるをえません。

 僕の場合、自分が考えた方法で僕自身にしかできない治療ができるというのが、一番のやりがいです。

 しかも、自分でクリニックを構えれば、自分のカラーがより自由に出せます。それが今回の開院につながりました」

 

1階の第1診察室
1階の第1診察室

 「僕にしかできない治療に

 挑んでいく」

 

 「こどもの治療と親のケアは

 両輪の関係。

 親が元気でなければ、

 こどもは元気にならない」 

 

 

 

第1診察室のドア
第1診察室のドア

 こどもが元気になるには、ときにはお母さんや

お父さんのケアの方が大事な場合もあるそうだ。

 「親の状態がよくなってくれば、こどもも元気に

なってくるケースが結構あります」

こどもを支えるお父さん、お母さん、兄弟姉妹、

おじいちゃん、おばあちゃん、学校の先生までも

診療していく方針だ。

 

 

「文教地区に

こどもの心療内科があれば

お役に立つはず」

 

 玉造と何か縁があってこの地で開院したのだろうか。

 「この場所を選んだのは、以前の医院が閉院され、テナント募集の貼紙をたまたま見たのがきっかけです。玉造はJRも地下鉄も通っていて、交通の便がよく、それでいて、人が多すぎないのが魅力です」

 「さらに、幼稚園から大学まで学校があって、たくさんの学生さんや保護者の方が集まります。文教地区にこうしたメンタルクリニックがあれば、お役に立てるのではないかと思っています」 

 しかし、長堀通りに面した駅前だけに、朝から晩まで車も歩行者もひっきりなしに通る。顔がさすようで、ドアをくぐるのはためらうかも…。

 

子どもの顔をモチーフにした玄関外壁
子どもの顔をモチーフにした玄関外壁

 「そのため、入口には特に工夫

凝らしました」と強調する。

 

 玄関に立つとわかることだが、

入口部分を斜めにしつらえ、

まっすぐ歩いて来た人を

すっと引き込み、

入ったことがわかりにくい造りに

してある。

 

  

 

 設計を担当したのは京都の建築会社。和をコンセプトに、木・土・水などの自然素材を基調にしている。

 たとえば診察室の床には竹を、待合室は和室の畳敷きで、床の間には蹲踞(つくばい)を置き、茶室の雰囲気。また、コーナーを曲線で仕上げているので、やわらかな印象だ。

 

 「癒されるクリニックをと、設計にもこだわりました。『内装でも治療する』という考えで進めていましたが、満足できる百点満点の完成度です。建築会社の方に感謝しています」とにっこり。

和のテイスト

自然素材を基調にしている
自然素材を基調にしている

曲線でやわらかく

カーブでやわらかさを表現
カーブでやわらかさを表現

気分を変える異空間

蹲を置いた待合室
待合室の床の間は茶室の趣

 

西洋医学と東洋医学、両方からアプローチし治療する 

 

 もうひとつの注目は、治療に東洋医学を取り入れていること。

  「こころが辛くなると、頭が痛い、腰が痛む、夜眠れないといったことが起きてきます。心と身体を並行して治療する必要があります。父が漢方薬専門の薬剤師であり、鍼灸師でもあります。僕は幼いころからその効果をずっと目の当たりにしてきました。僕の治療と父の東洋医学の治療、2つ手段があれば、治療の打率をさらに上げられると思っています」

 

 全国数ある心療内科の中で、児童精神科と東洋医学でタッグを組んだ医院は、かなり珍しいはずだと言う。もしかしたら日本初かもしれない

 

 「宋こどものこころ醫院」は旧字体の醫院を使っているが、「僕は親が医者ではないので、今から歴史を作っていくことになります。これから伝統を作っていくぞという気持ちをこの字に込めました」

 

 「来ていただいた方にはなんとしてもよくなってもらいたい。結果を残して、何人の方がよくなったのか、統計を取っていくつもりです。その確率をあげたい。そしてさらに多くヒットを打っていきたい。それが、僕の存在意義、生きている意味だと思っています」

  

 その言葉の熱さに驚かされ、ここまで言い切る強さにたじろいだ。

 穏やかで、理知的な宋先生だが、のたくましい闘志はいったいどこから来ているのだろう。

 2階に案内されて、わかった。宋先生の強さの源はここにあった。

 

 

東洋医学を担当する宋福茂さん
東洋医学を担当する宋福茂さん

第2診察室が隠し玉、

腕1本で切り開いてきた父が

東洋医学を担当

 

 

 

 待合室の横にある階段を上がった2階に第2診察室がある。

 毎週木曜日、東洋医学の治療はここで行われる。  

 担当するのは宋先生のお父様、宋福茂(そう ふくしげ)さんである。

 福茂さんは漢方専門薬局の薬剤師であり鍼灸(しんきゅう)治療院の鍼灸師として37年のキャリアを持ち、今も今里の漢方薬局、鍼灸院で診療を行っている。 

 

 「在日韓国人だから、資格を持っていないと仕事がないと、子どもの頃から親父に言われ続け、薬剤師の道を選びました。

 大学の薬学部で漢方薬に出会って、卒業後、漢方問屋に就職すると言うと、就職の先生が『きみ、変わってるね』って。普通は病院か薬局に勤めますからね」

 

 「漢方を勉強していく中で、千年以上前から人は漢方薬と鍼で治療していたことを知りました。これだと思って、漢方問屋に勤めながら鍼灸の専門学校へ通ったんです」  

 出自も経歴も包み隠さず打ち明ける、肝のすわった話しっぷりだ。

2階第2診察室
2階第2診察室

 

 

脈を診れば身体がわかる 

手を診れば薬が出せる

勘と経験と勉強の積み重ね

 

 

 

 

 「ちょっと手を出してみてください」と言われ、右手を出した。

 脈を診ながら、

「だいぶ疲れてはる。今日は脾系(ひけい)という経絡(けいらく)が弱い。消化器が弱ってますね。甘いものが好きと出ている。甘いもの冷たいものは避けることです。非常に繊細やけど、疑り深いところもあるね。えっ、どこに書いてあるかって? 脈に出てる」

 じぇじぇじぇ! こわいぐらいにお見通し! 黙って座ればぴたりと当たる!その診断。 

 

 今度は両手を出してと言われ、手のひらを上にして預けると

 「わぁ、右と左が極端やね」

 手にさわるだけで、身体の右側左側のどちらが弱いかわかるそうだ。私の場合は左が弱い。その左手に12色の布を次々載せていく。

 身体には12の川、経絡が流れている。それを表す12の色布を手の上に載せていくと、合う色合わない色がぱっとわかるそうだ。

 「O(オー)リングテストの要領で、ぼくの手がぱっと動くんです」

 その結果を基に漢方薬を処方していく。どの生薬を使うか、薬の組み合わせや分量をどう調剤していくか、これが漢方薬専門薬剤師の腕の見せどころである。

 

 

「ぼくの治療は全部自費ですから、

毎回真剣勝負。

患者さんが帰るときに、

ラクになったと思ってくれないと、

二度と来てくれませんから」

 


 腰痛や膝痛は鍼灸で8割治せると自信をもつ。

 宣伝はこの20年いっさいしていない。治った人たちのクチコミで次々やって来るそうだ。

 「37年、死に物狂いでやってきた。才能? そんなもんないですよ。努力しかないですから」

  

 「師事した先生たちは神ワザに近かった。ぼくはまだまだ。今里にある診療所3階の書庫には、くさるほど本がある。死ぬまで勉強しますから」

 神ワザの高みをめざして、もっと打率をあげたいという。

 死に物狂いでワザを磨き、鍼灸・漢方の道を切り開いてきた福茂さん。その父の背中を見て育ってきた息子の大光先生が同じ志をもち、同じ道を歩もうとするのは、脈々と流れるその熱い血筋にほかならない

 

 「小学校1年生になったら、トイレと風呂と店の掃除をさせ、5年生になれば『どうやって将来、飯を食っていくんだ?』と毎日尋ねました。ぼくも親父にこうして育てられましたから」

 子育ての極意もお持ちのようだ。

 

 ご長男の大光先生について尋ねてみた。

 「せがれは真面目で一生懸命。それが一番の取り柄です」

 大きな光、お医者さんにぴったりの名前です。

 「経典の中から取った名前です。名前負けしないように頑張ってほしい」

 息子さんの話になると、これまでの強い口調が一変。子を思う心が感じられる優しい声、はにかんだ表情になった。

 

 西洋医学と東洋医学、心療内科と鍼灸、そして息子と父が相補いながら二人三脚で治療に取り組んでいく「宋こどものこころ醫院」。なんとしても治してみせるという治療魂を見た思いだ。

 玉造といえば「宋こどものこころ醫院」。そう言われる日が来るのを待ちたい。

 

2013年8月1日取材)

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3階建てで、1階2階が診療所
3階建てで、1階2階が診療所

「宋こどものこころ醫院」

http://child-mental.com/

http://childmental.blogspot.jp/?m=1(院長ブログ)

大阪市中央区玉造1‐5‐7

TEL0643035683

 

 

電話による完全予約制

月・火・木・金曜9時~12時半、14時~17時半

土曜9時~13

休診日=土曜午後・水曜・日曜・祝日

●木曜は通常診察に加え、2階で東洋医学の治療も


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JR玉造駅、

地下鉄長堀鶴見緑地線玉造駅から徒歩約1分、長堀通り沿い。


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愛用のカメラとICレコーダーです
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玉造イチバンの管理人です。私は玉造で生まれ育ち、今も玉造に住んでいます。たくさんの方に玉造を知ってもらいたく、2013年2月にこのサイトを立ち上げました。玉造を盛り上げる情報を発信していきたいと思っています。